足首のブレをなくしてランニング効率を高める方法

「前よりも走る距離が増えているのにタイムが縮まらない」

 

「練習量が増えてるのに目標タイムをクリアできない」  

 

 

走る距離が増えているのに、なぜか目標タイムをクリアできずに悩んでいるランナーの方が多くいるのではないでしょうか?

 

 

練習量に見合った結果が出ない原因のひとつとして、『非効率なランニング動作』が挙げれます。

 

今回はそのなかでも『足関節(足首)のブレ』について解説していきます。

 

 

足関節のブレと非効率なランニング動作の関係

マラソンなどの長い距離を走る種目でタイムを縮めるためには、いかに速く前に進むかが重要です。

 

 

しかし、接地時に足関節のブレ(=足関節の回内:内側に傾く動き)が大きくなると、足裏内側に体重が乗りやすくなります。

 

 

足裏の内側へと体重が乗りやすくなると、実際のランニング動作にどのように影響するのか見てみましょう。

 

 

フットストライク~ミッドサポート期(接地~中間支持局面)では、フットストライク時に足関節は回外し、ミッドサポート期では回内する動きが理想とされています。

 

 

比較動画では左足と比較した場合、右足のフットストライク(接地して)からミッドサポート時(中間支持)に過度な回内が見られています。

 

 

接地時に足関節が過度に回内(踵が内側に傾く)すると、足関節より上部にある下腿(スネ)や大腿(太もも)は内側方向への力が働きます。

 

 

結果として、右側の足部に対して反対側に骨盤が大きく横へ移動する動きが見られています。

 

 

フットストライクからミッドサポートの役割は、接地時の衝撃を吸収しながら、接地脚に重心を乗せ蹴り出しのパワーを蓄えることです。

 

 

しかし、動画のような足関節の動きが見られる(右足の接地時)と足部に重心がうまく乗せられていない(右足接地した時に左に骨盤が移動している)ため非効率なランニング動作に繋がります。

 

 

非効率な動きによって1歩分が約1cmマイナスになると、10歩で10cm・100歩で1mの差が生まれてきます。

 

 

動きを効率化すれば1歩で進む距離が伸び、長い距離ほど差が広がりレース結果にも影響します。

 

 

足関節が回内する原因

大きく分けて2つの原因があり、

 

①足関節の背屈(曲がり)低下

 

②足関節外側の安定性低下

 

によって過度な回内が生じます。

 

 

①足関節の背屈(曲がり)低下

接地した時の足関節の背屈(曲がり)が低下していると、背屈(曲がり)の代償として足関節の回内が強く見られることが多いです。

 

 

背屈が低下する原因として、踵骨に付着するアキレス腱の柔軟性が低下することで下腿の前傾を妨げます。

 

 

②足関節外側の安定性低下

『足関節外側の安定性が低い』と、外側への荷重(回外方向)では不安定なため、内側荷重(回内方向)で安定させようとするパターンを取ることが多いです。

 

 

この外側の安定性を高めるためには、足関節外側を走行する腓骨筋を活性化させることがポイントになります。

 

 

腓骨筋を活性化させて外側の支持性を高めたうえで、接地時の衝撃に対応するためにはヒラメ筋のトレーニングが必要です。

 

ヒラメ筋は下腿(スネ)後方から踵骨(かかと)の後内側部に付着するため、踵骨の回内と過度に背屈しないようにコントロールする役割があります。

 

 

これから足関節の柔軟性と安定性を改善するためのエクササイズ・トレーニングを紹介します。

 

ぜひチェックしてみてください!!

 

 

アキレス腱柔軟性改善エクササイズ

アキレス腱周辺のストレッチ感を確認しながら15回×1セット実施してみましょう。

 

 

足関節安定性改善エクササイズ

アキレス腱の柔軟性を引き出したら腓骨筋とヒラメ筋のエクササイズをしていきます

 

ヒラメ筋の働きを効果的にするために腓骨筋の活動を高めてからヒラメ筋のエクササイズをしていきましょう。

 

各種目10回×1セット実施していきましょう。

 

 

足関節トレーニング

ヒラメ筋の収縮感を感じながら安定してトレーニング(ぐらつきがなく)できるようになったら、股関節や上半身の動きを連動させながら足関節を安定させるトレーニングをしていきます。

 

 

股関節の動きに対しても、足関節の位置を保った状態でトレーニングをします。

 

 

股関節の動きに対しても安定できるようになったら、実際のランニング動作に近い動きでトレーニングを実施していきます。

 

マラソンなどの長い距離のランニング動作では、横から見た時に上体に対して足部がやや前方か真下に接地すると言われています。

 

 

そのためトレーニングでは足部の真上に上体を乗せた状態で、回旋方向の動きに対しても足関節の位置が崩れないようにトレーニングを行います。

 

 

最終的に接地した瞬間に足関節の位置が大きく変化しないように、軽くジャンプして止める→連続でジャンプと負荷を上げていきます。

 

 

ランニング動作で足関節を安定させるために、このような負荷でもヒラメ筋とアキレス腱の働きを最大化させて、足関節の安定性を高めることが効率的なランニング動作に繋がります。

 

 

各種目10回×2セットを目安に実施してみましょう。

 

 

普段の練習効果が結果に結びつけられるように、足関節の安定性を改善していき効率の良いランニング動作を獲得していきましょう!!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

参考文献

『足部・足関節理学療法マネジメント 機能障害の原因を探るための臨床思考を紐解く』 メジカルビュー社

『筋骨格系キネシオロジー』 Donald A. Neumann 医歯薬出版株式会社

中長距離ランナーの化学的トレーニング デビッド・マーティン/ピーター・コー 大修館書店

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