動的安定性を高める股関節での力の吸収と発揮

Ligareに通ってくださっているアスリートやスポーツ愛好家の方々からよく聞かれる声として

 

「スマッシュ時に上半身が流れてしまう」

「切り返し時の動きが遅い」

 

 

などのパフォーマンスに関するお悩みや

 

 

「膝の痛みが中々良くならない」

「慢性的な腰痛がある」

などの傷害に関するお悩みもよく聞かれます。

 

 

動作の分析をしていくと股関節がうまく使えないことで上記のような悩みにつながっているパターンが多くみられます。

 

実際に「股関節に乗れていない」「股関節がうまく使えていない」と感じている方もいますが、ではどのように股関節を使えるようにしパフォーマンスや傷害予防につなげていくのでしょうか。

 

今回は股関節での力の吸収と力発揮ができるよう、股関節の動的安定性を高めるトレーニングをご紹介します。

 

是非、最後までご覧ください。

 

 

股関節の動的安定性とは

動画のように股関節の動的安定性が低いと股関節で衝撃吸収ができず、上半身が外に流れ次への動き(横へのジャンプ)が遅くなります。

 

その股関節を安定させるために大腿骨頭(太もも)と寛骨臼(骨盤)が適合できる状態を目指していきます。

 

股関節周囲にある靭帯や関節包と呼ばれるものが股関節の静的な安定性を高めるのに加え、股関節周囲の筋肉が適切に機能することで動的な安定性を高めます。

 

 

深層外旋六筋・腸腰筋・小殿筋は大腿骨頭を寛骨臼に近づける役割があり安定性を高めてくれます。

 

 

これらの筋肉が機能不全となることで股関節の詰まりや硬さを感じやすくなります。

 

 

Mobilityエクササイズ

股関節は屈曲(曲がる)することで寛骨臼の中に大腿骨頭が滑り・転がり、被覆率が高くなるため構造的に安定しやすくなります。

 

そのためまずは股関節屈曲運動をスムーズに行えるように股関節内の動きを改善するmobilityエクササイズを行います。

 

Mobilityエクササイズ前に股関節のつまりがないかセルフチェックをしてみましょう。

 

股関節屈曲は股関節内旋(内側に回旋)の動きを伴うため股関節内旋のmobilityを出しつつ、インナーマッスルである深層外旋六筋・腸腰筋・小殿筋を機能させていきます。

 

Stabilityエクササイズ

また股関節の屈曲は大腿骨の動きに加えて骨盤も連動して動く必要があります。

 

骨盤大腿リズムと呼ばれる股関節屈曲時に骨盤が後傾することでスムーズな股関節屈曲となります。

 

この骨盤大腿リズムが崩れることで、股関節前面に過度な収縮感があったり股関節につまりを感じます。

 

また股関節を動かすためには股関節の筋肉が付着する骨盤を安定させる必要があります。

 

体幹インナーマッスルを機能させることで股関節インナーマッスルを使いやすい状態を目指します。

 

 

骨盤を安定させる腹横筋エクササイズをご紹介します。

 

恥骨に付着する内転筋の収縮を促しながら、恥骨を前に出すように骨盤を後傾していきます。

 

腹部インナーマッスルである腹横筋は骨盤に付着し腹圧を高め、背側にある筋膜や腸腰筋と筋連結し骨盤から腰椎を安定させます。

骨盤後傾位を保ちながら四肢を分離して動かせるようにしていきます。

次に骨盤を介して斜め方向に連結する腹斜筋と内転筋をトレーニングし骨盤の安定性を高めます。

さらに股関節前面に位置する腸腰筋は腸骨と腰椎に付着し、骨盤と腰椎を安定させる役割があります。

 

立位姿勢では生理的な腰椎の前弯・骨盤前傾を保持するために働くインナーマッスルです。

 

Sway backのような骨盤が前方偏位している姿勢だと常に腸腰筋が伸ばされているため機能不全を起こしやすくなります。

 

 

そのため股関節屈曲時に屈曲筋である腸腰筋が機能せず、前ももの筋肉による屈曲になることで股関節前面につまりを感じやすくなります。

 

最後に大殿筋による骨盤の安定化を行います。

 

大殿筋は腸骨・仙骨・尾骨から起始し大腿骨外側に付着し、骨盤の前後傾をコントロールします。

 

ヒップリフトでは骨盤後傾位で行うことで、腰部筋を抑制しながら大殿筋の収縮を促すことができるため、恥骨から持ち上げて腰を反らないよう気を付けましょう。

 

 

動きの学習 Motor コントロールエクササイズ

股関節屈曲・伸展・回旋の動作を習得していきます。

 

動作の基礎を学習してスポーツにおいて効率的に動ける土台を作っていきます。

 

股関節屈曲にて股関節は安定するため股関節屈曲動作から行っていきます。

 

股関節屈曲時には腹部筋群が骨盤を支持し、股関節後面筋の大殿筋・ハムストリングスが遠心性収縮(筋肉が伸ばされながら収縮すること)し骨盤をコントロールします。

 

 

具体的には、股関節屈曲時に腰椎が過度に伸展(反る)することで腰につまりを感じたり、大殿筋やハムストリングスの遠心性収縮が適切に行われないことで骨盤が前傾せず体幹のみの屈曲になってしまうことがあります。

 

これらの誤った体の使い方をmotorコントロールエクササイズで改善し、正しい動きを習得します。

 

 

――

 

以上のように股関節の動的安定性を高めるためには、股関節の動きを改善しつつ股関節・骨盤の安定性を高めていく必要があります。

 

スポーツにつながるよう動作の質を改善するトレーニングを行っていきます。

トライアルは随時受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。

 

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