動きの質を向上させる|仙骨前傾とヒップヒンジ

近年、競技現場においては重りを用いたウェイトトレーニングを取り入れているチーム・部活動は増えてきています。

 

ウェイトトレーニングは数多くのメリットがある一方、負荷をかけて行うため不適切な方法だと怪我のリスクもつきまといます。

 

今回は、ウェイトトレーニングを行うにあたり欠かせないヒップヒンジについて解説していきます。

 

 


1.ヒップヒンジとは

ヒップヒンジとは、日本語に訳すと 「ヒップ = 股関節」 「ヒンジ = 蝶番」 という意味になり、蝶番のように股関節を支点として身体を前後に動かす基本動作のことを指します。

 

 

重要なのは、脊柱特に腰椎で曲がるのではなく、あくまで股関節を屈曲すること。

 

これが出来ていないと、パフォーマンス向上はおろか、怪我のリスクを高めてしまいます。

 

 


2.ヒップヒンジと仙骨前傾

ヒップヒンジの概要を理解した上で、さらに深掘りをしていきます。

 

ヒップヒンジ、つまり股関節屈曲には骨盤の前傾が同時に行われる必要があります。

 

ここで示している骨盤というのは仙骨と左右の寛骨のユニットのことを指します。

 

仙骨と寛骨の間は仙腸関節と呼ばれ、仙腸関節の微細な動きがユニットとしての骨盤の安定性に関与しています。

 

仙腸関節の動きは主に2つの動きに分けられています。

 

 

●ニューテーション(うなずき運動)

安定性:高い

動き:仙骨前傾、腸骨後傾、坐骨外転

 

 

●カウンターニューテーション(起き上がり運動)

安定性:低い

動き:仙骨後傾、腸骨前傾、坐骨内転

 

 

ヒップヒンジのチェックポイント

正しいヒップヒンジでは、股関節の屈曲に伴う仙骨の前傾つまりニューテーションの動きが大切になります。

 

よくあるエラーとして、骨盤が後傾して仙骨がカウンターニューテーション方向に動き、代償的に腰椎が屈曲してしまうことが見られます。

 

これだと、大殿筋に張力がかからない上に、腰部に過剰な屈曲ストレスを与えてしまい、腰を痛める原因になりかねません。

 

 

3.コレクティブエクササイズ

正しいヒップヒンジを行うために仙骨前傾がポイントとなるのですが、

仙骨は寛骨の動きに対して相対的に傾きが変化するとされています。

 

そのため、寛骨(腸骨や坐骨など)の動きを適正化することによって仙骨の前傾を引き出していきます。

 

トレーニング❶|かえるストレッチ

骨盤の前傾を保った状態で股関節を屈曲していきます。

 

骨盤の前傾(仙骨の前傾)を保つことで、大内転筋が伸張され坐骨が外転していきます。

 

骨盤が後傾しないように注意しましょう。

 

トレーニング❷|股関節内旋エクササイズ

坐骨を外転しながら股関節を屈曲させた後、股関節の内旋/同側骨盤の前傾に伴い、仙骨を前傾させていきます。

 

腰椎が動きすぎないように注意しましょう。

 

 

トレーニング❸|腸腰筋エクササイズ

股関節を外旋位で固定することで腸骨の後傾を保ちます。

 

その上で、腸腰筋による腰椎の前弯に伴って骨盤を前傾させることで、仙骨の前傾を引き出します。

 

 

トレーニング❹|シンボックス

膝立ちで足関節の影響を排除してヒンジを行います。

 

股関節がそれぞれ内旋/外旋位にあることで股関節の深層筋を賦活させ、股関節の使い方を学習していきます。

 

 

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