育成年代のための体幹トレーニング 

育成年代は、身体の基礎作りにおいてとても重要な時期です。

 

この時期に体幹の安定性を育むことは、将来的なパフォーマンスの土台をつくり、怪我予防にもつながります。

 

特定のスポーツに限らず、ほとんどのスポーツに共通して大切となる基礎的能力としての体幹の鍛え方を今回はご紹介していきます。

 

 

1.腹筋 = 体幹 ?

「当たり負けする」「フォームが悪いと言われる」

 

 

このような競技のお悩みありませんか?

 

 

特に接触がある競技などは、フィジカル負け=体幹が弱いとなりやすい印象です。

 

体幹と言えば、プランクのように腹筋を固めて1分キープなど腹筋のトレーニングというイメージがあるかと思います。

 

もちろん腹筋群のトレーニングも大切ですが、よくあるプランクやシットアップだけでは体幹を鍛えられたとは言えません。

 

実際には、胸郭などの他部位との連動の中で相対的に腹部を安定させ、それを固定ではなく動きの中で安定させることが大切になります。

 

 

2.体幹安定性チェック

先ほども述べたように、体幹は他部位との連動の中で腹部を安定させることが重要です。

 

こちらは体幹の安定性の評価です。

 

腕立て伏せのスタートの姿勢から、対側の手足を伸ばしていきます。

 

手足を伸ばした状態で10秒キープが出来たら基礎的な体幹の安定性は十分と言えるでしょう。

 

上のフォームは、指先から支えている足・挙げている足のそれぞれの踵まで一直線に伸ばすことが出来ています。

 

 

対して下のフォームは、腕が落ち背中が丸まっており、体幹の安定性低下をお尻を上げて代償している可能性が考えられます。

 

 

踵から手まで1直線の状態を保つためには、支持側の腕で体を支える必要があります。腕で上手く支えることにより体幹のスイッチが入り、胸郭と連動した体幹の安定性が出てきます。

 

 

つまり、体幹を鍛えるためには上半身で体を支える力、具体的には前鋸筋と菱形筋による肩甲帯の安定とそれに伴う胸椎の伸展がとても大切になります。

 

 

3.上半身で支える力

・前鋸筋
肋骨から肩甲骨に付着し、肩甲骨の外転や後傾/外旋などを行う。外腹斜筋と筋連結を有することから、体幹の安定に影響を及ぼします。

 

 

・菱形筋
脊椎から肩甲骨に付着し、肩甲骨の内転や下方回旋などを行う。前鋸筋と筋連結を有し、肩甲骨の安定化に寄与する。

 

この前鋸筋と菱形筋が協調して働くことで、肩甲骨を肋骨に押し付け、胸椎伸展の土台を作ります。

 

 

上肢支持時の前鋸筋と菱形筋の合成ベクトルは、胸椎伸展方向に働き、安定性を高める働きを担います。

 

胸椎が自然と伸展していくことで、腰椎や骨盤で反るようないわゆる反り腰の状態にならずに体幹全体が安定していきます。

 

 

4.育成年代の特徴

冒頭で、体幹の安定性について育成年代で行うメリットとして、将来的なパフォーマンスの土台をつくり、怪我予防にもつながると述べました。

 

実はそれ以外にも育成年代で体幹トレーニングを行うべき理由があります。

 

それは、育成年代では神経系が未発達で機能低下が少ないということ。

 

 

大人の場合、怪我や過去の障害によって筋肉や関節が機能低下していることが多く、機能改善を図った上で実施しないと十分な効果が出にくいです。

 

一方で、育成年代においては、怪我などによる機能低下は少なく、さらにそもそも神経が十分に発達していません。

 

つまり、「出来ない=機能不全」ではなく「まだ学習できていないだけ」と捉えることができ、大人よりも十分な効果を得やすいことが分かります。

 

上記の理由から、育成年代だからこそ体幹トレーニングに取り組む必要があると考えています。

 

 

5.育成年代特化型トレーニング

トレーニングでは、「筋肉の強化」というよりかは「正しい動作」を学習していくことが重要になります。

 

 

トレーニング① | ハイプランクリーチ Lv.1

四つ這いで上肢をリーチしていきます。四つ這いでは、股関節が屈曲位にあるため、股関節が構造的に安定することで体幹下部が安定した状態を作れます。その状態で胸椎伸展を連動させます。

トレーニング② | ハイプランクリーチ Lv.2

膝つきで上肢をリーチしていきます。股関節が中間位にあり構造的安定性が低下する分、機能的に体幹を安定させた状態での胸椎伸展が求められます。

 

 

トレーニング③ | ショルダータップ

ハイプランクの姿勢で対側の肩をタッチします。体が左右にブレずに、片手で支持している状態を長く保てるようにしましょう。

 

 

トレーニング④ | クラブリーチ

肩関節/股関節伸展位の状態で胸椎を伸展させ、さらに上半身の回旋を伴っていきます。上半身の回旋はみぞおちから捻る意識で行いましょう。

 

 

上記の順番でエクササイズを実施し、ハイプランクリーチが正しいフォームで10秒キープ出来るようにしていきましょう!

 

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