25.08.25
ランニング🏃推進力を高める!!胸椎伸展トレーニング

マラソンではメインエンジンとなる股関節に加えて胸椎伸展を獲得することで、より推進力を高めることができます。
猫背や巻き肩のような姿勢の人は、胸椎の伸展が不足しやすく上半身の重心が後方にあるため、前への推進力を得られにくくなってしまします。
胸椎伸展とはただ胸を張ればいいわけでなく、走るという動作が繰り返し行われている中でも持続でき下半身とも連動する必要があります。
そのためには、どこの筋肉を使っているか、どのように動かすのかを意識してトレーニングすることが重要です。
今回は、胸椎伸展を促すトレーニングに加えて下半身との連動トレーニングもご紹介します。
是非、最後までご覧ください。
胸椎伸展の重要性
ランニングは前方に進むことが目的となるため、足が接地した際に上半身の重心が前方に位置することで効率よく前に進むことができます。
こちらは実際のランニングフォームの比較です。
右のランニングフォームでは背中が丸まっているため、左と比べて上半身の重心が後方にあるのがわかると思います。
では、接地時の重心位置が胸椎伸展の有無でどれくらい違うのか詳しく見てみましょう。

左(胸椎伸展が出ている)は接地時に踵の真上に上半身の重心があるため、前足部への荷重がスムーズになり前方への推進力を得られやすくなります。
右(胸椎伸展が出ていない)は踵よりも後方に上半身の重心があるため、上半身による前方への推進力を得られにくいフォームとなっています。
また、左よりも踵での接地が強くなっています。
胸椎伸展を引き出すには❶前胸部の伸張性
まず前胸部にある鎖骨下筋・小胸筋・大胸筋の伸長性を高め胸を張りやすくします。
これらの筋肉は鎖骨や肩甲骨、上腕骨に付着し、伸長性が低くなることで猫背や巻き肩の姿勢を呈しやすくなります。

まずは、前胸部をほぐしていきます。
鎖骨の下をほぐし筋肉の滑走性を改善します。
※鎖骨下には大きな血管や神経が通っているため、手に痺れや違和感が出たら中断してください。
次にストレッチを行います。
上半身を回旋させながら行い、腕から胸骨を遠ざけるようにストレッチしていきます。
胸椎伸展を引き出すには❷多裂筋の促通
猫背のような胸椎後弯の姿勢が続くことで、インナーマッスルである多裂筋が伸長され続け機能不全を起こしやすくなり、アウターマッスルである脊柱起立筋が優位になります。

多裂筋を機能させ背骨を一つ一つ動かす意識でエクササイズを行いましょう。
脇に力を入れ肩甲骨と胸椎を分離させ、胸椎伸展を促します。
胸椎伸展を引き出すには❸胸郭と肩甲骨の連動性
胸椎の後弯が強くなることで肩甲骨が外転(外に開く)し肩甲骨の安定性が低下します。
肋骨と肩甲骨をつなぐ前鋸筋を使えるようにし、まずは肩甲骨を安定させます。

次に前鋸筋を働かせた状態で肩甲骨と胸郭(胸椎・肋骨・胸骨)を連動させ胸椎伸展を促します。
ランニングでは腕振りによる肩甲骨と胸郭の動きも必要になるため、回旋動作を前鋸筋で制御するトレーニングも重要になります。
胸椎伸展を引き出すには❹胸椎伸展と股関節
ランニングでは股関節屈曲(曲がっている)している状態での胸椎伸展が必要です。
そのため、トレーニングでは股関節屈曲位で胸椎伸展を促していきます。

ランニングの接地時には殿部で衝撃を吸収し、加速へと繋げていきます。
そのため、トレーニングでは踵に荷重し、スネを垂直の状態で股関節を引き込み、殿部に体重を乗せることが重要です。
起こりやすいエラーとして、つま先に荷重することで膝が前に出て殿部に乗れない、骨盤が後傾位となり股関節の引き込みがうまくいかないことがあるため注意が必要です。
以上、マラソンでの推進力を高める胸椎伸展トレーニングのご紹介でした。
他記事でもマラソンのパフォーマンス向上について解説していますので、是非ご覧ください。
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