ボクシング🥊腰痛改善アプローチ

今回は実際にLigareでパーソナルトレーニングをお受けいただいているボクサーの方のトレーニングをご紹介します。

 

「 動き始めや寝起きで左腰が痛い 」

「 常に股関節の詰まりがある 」

 

というお悩みがあり

 

「 腰を痛めないように力を発揮できるようになりたい 」

「 体の基本的な使い方を知りたい 」

 

という目的で体験に来てくださいました。

 

 

ボクシングという競技特性から腰に負担がかかる原因は何なのか?

 

どのようなトレーニングを行っているのか?を詳しく解説していきます。

 

 

腰痛になりやすい動き

ストレートを打つ際は前脚に体重が乗り上半身が回旋し腕が前方に伸びていきます。

 

今回は類似動作としてスプリットスタンスでの回旋動作を確認しました。

 

上半身質量中心(第7-9胸椎 みぞおちのあたり)が後方にいくことで腰椎伸展(腰を反る)でバランスをとり、この動きが繰り返されることで左腰に負担がかかってしまいます。

 

ストレートを打つ際に必須である上半身の回旋ですが、背骨を構成している頚椎・胸椎・腰椎それぞれの回旋可動域は以下のようになっています。

 

 

35°回旋するはずの胸椎の可動域が低下することで腰椎伸展で回旋動作を代償してしまいます。

 

ストレートは胸椎の回旋に伴い肋骨や肩甲骨、上肢も連動するため、併せてトレーニングを行います。

 

 

また、股関節は屈曲内旋(股関節が曲がって内側にひねる)の可動性の低下も腰椎伸展代償に繋がってしまうと共に、股関節屈曲内旋位で安定することで骨盤が固定され胸椎の回旋を正しく行うことができます。

 

そのため、可動性の改善だけでなくモーターコントロール(身体の動かし方)エクササイズを併せて行い、動作の中で正しく体が使えるようにしていきます。

 

 

上半身回旋動作の改善

まず回旋動作を改善していきます。

 

回旋動作の改善のために肋骨と肩甲骨を繋ぐ前鋸筋を働かせていきます。

 

前鋸筋が収縮することで肋骨を後方に引っ張り胸郭の回旋を促します。

 

 

また、回旋動作は骨盤と胸郭を分離して動かす必要があるため、『骨盤を固定して胸郭を回旋する』または『胸郭を固定して骨盤を回旋する』を意識しトレーニングを行います。

 

 

骨盤を固定して胸郭を回旋

骨盤を固定するために上側脚の膝で地面を押し、内転筋を収縮させます。

 

その状態を保ち、肘で地面を押し前鋸筋の収縮を感じながら左胸郭を後方に回旋させます。

 

 

胸郭を固定し骨盤を回旋

両肘で地面を押し肩甲骨を外転させ、前鋸筋の収縮を感じ胸郭を固定します。

 

その状態を保ち、骨盤を回旋させていきます。

 

回旋側の肩甲骨が挙上し前鋸筋の収縮が抜けやすいので注意しましょう。

 

 

股関節の可動性とモーターコントロール

ストレートを打つ際に後脚から前脚へ体重が移動し、骨盤の回旋が起こり上半身へと力を伝えます。

 

この時に前脚の股関節で力の吸収をしブレーキをかけることが重要となり、その時の股関節の動きは屈曲内旋となります。

 

 

股関節の可動性改善

元々股関節に詰まりを感じられている方だったので、丁寧に股関節可動性改善を行いました。

 

可動性を改善するためには大腿骨の骨頭が求心位(受け皿である臼蓋に引きつけられ安定している状態)である必要があります。

 

求心位を獲得するために股関節のインナーマッスルを賦活させ、股関節を使っている感覚を習得していきます。

 

 

股関節モーターコントロールエクササイズ

股関節で力を吸収するためにはヒップヒンジ(股関節を引き込む動き)を行い、股関節で動作を行う意識をしていきます。

 

そのために、どの筋肉を使っているか、どこが伸びているかなどの感覚を感じ取りながら運動していくことが重要です。

 

 

股関節屈曲時に股関節後面の筋肉が伸びていることを確認します。

 

腰椎伸展が起きていると腰部のつまりや収縮を感じるため、股関節から引き込む意識で行います。

 

次に股関節屈曲内旋位で骨盤を固定し、左骨盤帯に対して胸郭の前方回旋と後方回旋を繰り返します。

 

 

スネは垂直を保ち、股関節に乗っている感覚の状態で胸郭を動かすことが重要です。

 

つま先に体重が乗り膝が前に出てしまったり、胸郭の回旋に伴い骨盤が回旋してしまったりしないようにしましょう。

 

 

2ヶ月のトレーニングで動作が変化し、腰痛も軽快しています。

 

今後はパフォーマンス向上に向けてトレーニングを行っていきます。

 

 

―――

Ligareのファンクショナルコースでは、スポーツの障害予防からパフォーマンスアップまで、動作を変えるトレーニングでサポートしています。

 

トライアルは随時受け付けておりますのでお気軽にお問い合わせください。

RANKING