24.07.29
産後腰痛改善のための骨盤エクササイズ
産後、ホルモンの影響や慣れない体勢での育児で腰痛に悩む方は多くいらっしゃいます。
産前からの筋力低下や腰痛の既往歴がある場合は腰痛改善までに多くの時間を要する場合があります。
今回は実際にLigareに通われていて、産後腰痛に悩まれていた方のご紹介をします。
30代 女性
お悩み|産後、仙腸関節部に痛みがあり仰向けになれない状態
目的|腰痛を改善し育児と仕事を両立する体力をつけたい
仙腸関節とは
骨盤は寛骨(腸骨・恥骨・坐骨)・仙骨といった骨が組み合わさってできており、その中の腸骨と仙骨からなる関節が仙腸関節といいます。
仙腸関節は股関節や肩関節のように大きく動く関節ではないですが、わずかに動く関節の可動性が重要になり、正しい位置で関節がはまらず筋肉が機能しないことで痛みが出やすいという特徴があります。
また出産に伴い関節が柔らかくなり骨盤が広がり産後には時間をかけて元に戻っていきますが、産後に仙腸関節痛を訴える人の多くは寛骨の上側が広がったまま(下方回旋位)のアライメントになっています。
このようにアライメント不良が起き骨盤周囲の筋肉が機能しなくなることで、股関節の可動域や筋力も低下し痛みが長引いてしまいます。
評価(身体のチェック)
主に以下のチェックを行って痛みの原因を探します。
・圧痛(押して痛い部分)
・アライメント(骨盤のゆがみ)
・機能不全(可動域制限や筋肉が機能しているか)
・症状増強・減弱テスト(徒手的な操作で症状の変化があるか)
▶︎左股関節周囲の可動域が低下し殿筋の機能低下が起こり、前屈動作では左殿部の違和感があり左寛骨の前傾不足が認められました。
アライメントの改善
まずは下方回旋・内旋位を呈している左寛骨のアライメントを改善するために、テニスボールを用い中殿筋・大腿筋膜張筋・縫工筋をほぐします。
ストレッチ
坐骨に付着するハムストリングスの柔軟性が低下することで前屈時の寛骨前傾を妨げます。
またハムストリングスは靭帯を介して仙骨とも繋がりがあるため、ハムストリングスの機能は仙腸関節に大きな影響を与えます。
エクササイズ
左右の寛骨を対称化した状態で良いアライメントを維持するために左殿筋のトレーニングを実施します。
経過
当初のお悩みであった仰向けでの仙腸関節部の痛みは改善し前屈動作がスムーズになりました。
骨盤前傾の動きはまだ不十分であるため引き続き骨盤周囲のトレーニングを行い、「 育児と仕事を両立する上での体力をつけたい 」という目的に対して強度を高めた筋力トレーニングを行っています。