育成年代のための股関節トレーニング 

育成年代は、身体の基礎作りにおいてとても重要な時期です。

 

特に自重で自身の身体を上手くコントロールし、身体の 「軸」 を作ることは、怪我予防や競技パフォーマンス向上にとても重要です。

 

今回は、特定のスポーツに限らずあらゆるスポーツに共通して大切となる基礎的能力としての股関節の使い方について解説していきます。

 

 

1.股関節を使うことの重要性

スポーツ現場では、

「股関節を使って」

 

という言葉をよく耳にします。

 

 

そもそも股関節が使えると何が良いのでしょうか?

 

股関節が重要な理由は主に3つあります。

 

 

❶怪我予防

他の関節への負荷を分散させることで怪我予防につながります。

身体の中でも大きな可動性を有する関節のため、効果的に使えるようになることで腰や膝をはじめ、各関節の負荷を最小限に抑えることができます。

 

❷パフォーマンスアップ

股関節周囲筋群での力発揮により股関節が安定することで、地面から受けた反力を股関節を介して無駄なく身体の末端に伝達することができます。

また、大きい筋肉である大殿筋が使われることでより大きなパワーを発揮することが可能になります。

 

❸軸の安定と適切な重心制御

特に育成年代では、負荷をかけて体幹軸を強化するよりも、自分の体重を正しくコントロールすることが重要です。その中心となる股関節に乗れるようになることで、軸が安定し動的な重心制御を身につけられます。

 

 

2.股関節の使い方チェック

身体の軸を形成する上で、 「股関節を使った」 動作ができているかを確認しましょう。

 

手を腰に当てた片足立ちから反対の足をあげ、体を水平に倒した状態で10秒キープが出来たら基礎的なバランス能力は十分と言えるでしょう。

 

 

右のフォームは、股関節から体を倒し、背中から踵まで一直線に伸ばすことが出来ています。

 

対して左のフォームは、腰を支点に体を倒すことで背中が丸まっており、股関節をうまく使えていない可能性があります。

 

この動きを正しく行うためには、軽く膝を曲げた状態から骨盤(特に仙骨)を前傾させる必要があります。骨盤から動かすことで、その上にある脊柱が適切に連動し背中を一直線に保つことができます。

 

つまり、背中を一直線に保つためには股関節の屈曲と連動した骨盤の前傾がとても大切になります。

 

 

3.骨盤と股関節の連動

股関節の屈曲に伴った骨盤の前傾には、下記2つがポイントとなります。

 

・ハムストリングによる遠心性の骨盤制御

・腸腰筋や多裂筋などの体幹筋群による仙骨の前傾

 

骨盤が安定するポジション(ニューテーション)を作ることで、下肢や腰椎も安定し、ブレない 「軸」 を形成できます。この一連の動きが破綻すると、骨盤ではなく腰を支点に体を前に倒してしまい不安定な軸の形成につながります。

 

 

4.育成年代の特徴

冒頭で、股関節を使った身体の軸作りについて育成年代で行うメリットとして、将来的なパフォーマンスの土台をつくり、怪我予防にもつながると述べました。

 

実はそれ以外にも育成年代で股関節の使い方を習得すべき理由があります。

 

それは、育成年代では神経系が未発達で機能低下が少ないということ。

 

 

大人の場合、怪我や過去の障害によって筋肉や関節が機能低下していることが多く、機能改善を図った上で実施しないと十分な効果が出にくいです。

 

一方で、育成年代においては、怪我などによる機能低下は少なく、さらにそもそも神経が十分に発達していません。

 

つまり、「出来ない=機能不全」ではなく「まだ学習できていないだけ」と捉えることができ、大人よりも十分な効果を得やすいことが分かります。

 

上記の理由から、育成年代だからこそ股関節の使った身体の軸作りに取り組む必要があると考えています。

 

 

5.育成年代向けトレーニング

トレーニングでは、「筋肉の強化」というよりかは「正しい動作」を学習していくことが重要になります。

 

 

トレーニング① | お尻歩き
骨盤の前傾を保った状態で腸腰筋によって股関節を屈曲していきます。骨盤が後傾しないように注意しましょう。

 

トレーニング② | シンボックス

股関節の内旋/外旋を引き出し、股関節深層筋を賦活化させます。深層筋に刺激が入ることで、股関節自体を知覚しやすくなり、股関節を使いやすくなります。

 

トレーニング③ | ヒップヒンジ
股関節の屈曲と骨盤の前傾を学習していきます。股関節から体を倒すことを意識し、背中が丸くならないように注意しましょう。

 

トレーニング④ | ウォールインバーテッドハム
壁を支えにしながら、片足で股関節の屈曲と骨盤の前傾を学習していきます。、膝を軽く曲げた状態で固定し、ハムストリングの遠心性収縮を活かして行いましょう。

 

上記の順番でエクササイズを実施し、インバーテッドハムが正しいフォームで10秒キープ出来るようにしていきましょう!

 

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