25.05.26
地面を「押せる」足を作る!!足底アーチトレーニング

“足首がグラつく”
“足で地面を押す感覚がない”
“もも前が疲れやすい”
トレーニングをしているあなたなら、一度はこのような悩みを抱えたことはあるのではないでしょうか?
これ実は「足底アーチ」が原因となっているかもしれません。
足でバランスをうまく取ったり、お尻を上手く使うためには足底で地面を押せることが必須です。
上手く足底で地面を押せないと、 ふくらはぎの筋肉が過剰に収縮し、足の指先で噛むような形で地面を捉えようとしてしまいます。
そうなると、 足で安定させることは困難になり、上位の関節に悪い影響を与えてしまいます。
それでは、
「足で地面を押す」
ためには何が必要なのでしょうか?
その答えは足の裏の3点(トライポッド)にありました。
足の裏のトライポッドとは
足の裏のトライポッドという言葉をご存じでしょうか?
トライポッドとは直訳すると“三脚“ですが、まさにその通りで足の裏3点の荷重点のことを言います。

ここでいう3点とは、「母趾球(ぼしきゅう)・小趾球(しょうしきゅう)・踵(かかと)」を指しており、それぞれ母趾球→親指の付け根、小趾球→小指の付け根にあります。
この3点に均等に体重が乗った姿勢が理想的な立ち方とされており、この3点で立てると力みなく軸がある、つまり安定感がある(地面を押している)状態になります。
重りを持ったスクワットなんかをやる方は、わかる方もいるのではないでしょうか。
しかし、多くの人は扁平足や外反母趾など足に問題を抱えており(無自覚の場合も多い)、トライポッドに乗れている人というのはかなり少ない印象です。
では、そんなトライポッドに乗るためにはどうすればいいのでしょうか?
次は、トライポッドを構成する足底の3つのアーチについてさらに深掘りしてみましょう。
トライポッドを構成する3つの足底アーチ

母趾球・小趾球・踵はそれぞれを結んだ足底アーチが存在します。
❶外側縦アーチ(小趾球~踵)
足底は後足部・前足部・外側部が地面と接しているため、アーチ全体の中でまずはこの外側縦アーチが上がることが最も重要です。
その中でも立方骨は外側縦アーチの要でありアーチ全体の起点となっており、非常に重要な役割を果たしています。
❷内側縦アーチ(母趾球~踵)
足部の扁平化に伴い、土踏まずがない(内側縦アーチが低下している)状態の方が多い。
足底の内在筋が機能することで内側縦アーチが形成・保持されます。
❸横アーチ(小趾球~母趾球)
ふくらはぎから続いている長腓骨筋腱と後脛骨筋腱が足底で交差し足の甲部分の関節を圧縮(クロスサポートメカニズム)し、横アーチの安定に寄与している。
上記3つのアーチが上がることでそれぞれ両端に位置している3点の荷重感覚が明確な点として生まれてきます。
このトライポッドに体重が乗っているというのが、
「足で地面を押す」
という感覚を作り出します。
それでは、実際に「足で地面を押す」ためのエクササイズを実践していきましょう。
「地面を押す」ためのエクササイズ
エクササイズ① | 立方骨挙上ex
まずは足底アーチを機能させるために、外側縦アーチの要である立方骨の位置を適切な位置に調整します。
多くは立方骨が下制し、外側縦アーチの低下につながっているため、タオルなどで立方骨を挙上位にもってくることでアーチ機能向上を図ります。
エクササイズ② | 足部内在筋ex
立方骨が正しい位置に戻ると、足底にある筋肉(内在筋)が促通されます。
この内在筋の適切な収縮によって機能的な3つのアーチが形成されていきます。
この際に、トライポッドを意識して小趾球・母趾球それぞれに地面を押す感覚がある状態を目指しましょう。
エクササイズ③ | カーフレイズ(腓骨筋・後脛骨筋)
内在筋によって各アーチが適切に形成されたら、足関節周囲筋(外在筋)も動員して荷重位でのアーチの保持に取り組みます。
長腓骨筋腱と後脛骨筋腱のクロスサポートメカニズムは、横アーチの安定性を生み出します。
エクササイズ④ | スプリットルーマニアンデッドリフト
最後は、全身と連動させていきます。
前足のトライポッドを意識し、3点に均等に体重が乗っている状態を作った上で、股関節を動かしていきます。
力みなく軸がある、つまり「地面を押している」状態のまま安定感のある動きを獲得していきます。
上記の順番でエクササイズを実施し、ぜひ地面を「押せる」足を作りましょう!
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参考文献:
- 吉田昌平,吉川信人/足関節・足部の機能解剖学的理解のポイント/理学療法31(2)/2014
- 生島直樹,橋本雅至/有痛性外反母趾-足部・足関節の機能的特徴を踏まえ介入する 臨床実践足部・足関節の理学療法(松尾善美監修)/文光堂/2018
- 西園美彌/魔女トレ/日貿出版社/2022